この記事を書いた人

日本糖尿病学会専門医、日本内科学会認定医の資格を持ち、医師として約18年医療現場に立つ。
特に糖尿病の分野に力をいれており、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症などの慢性代謝疾患の診療を得意としている。2026年5月に美濃加茂市でクリニックを開業予定。
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高い状態を指します。この状態が続くと、痛風や腎機能障害、心血管疾患のリスクが高まるため、適切な管理が重要です。このページでは、高尿酸血症の原因や症状、考えられる疾患、そして予防・治療法について解説します。
高尿酸血症とは?
尿酸は、プリン体という物質が体内で分解される際に生成される老廃物です。通常、尿や便として排出されますが、排出量が減少したり生成量が増えたりすると血液中の尿酸濃度が上昇します。高尿酸血症の基準は、血液検査で尿酸値が7.0mg/dL以上とされています。
高尿酸血症の原因
高尿酸血症の原因は主に以下の3つに分類されます:
尿酸の排泄低下
腎機能が低下している場合や利尿薬の使用により、尿酸の排出が阻害されることがあります。
尿酸の過剰生成
プリン体を多く含む食品(例:肉類、魚卵、ビール)の過剰摂取や、細胞の急激な代謝亢進が原因となります。
混合型
上記2つの要因が同時に関与している場合です。
治療と予防
治療方法
高尿酸血症の治療は、原因に応じて異なりますが、以下が一般的です:
生活習慣の改善
食事療法:プリン体を控えたバランスの良い食事を心がける。
水分摂取:尿酸の排出を促すため、1日2リットル以上の水を飲む。
適度な運動:肥満を解消し、全身の代謝を整える。
薬物療法
薬物治療では、体内で尿酸が作られにくくするお薬や、対外への排出を促すお薬を用います。
予防のポイント
高尿酸血症の予防には、普段から以下の内容を心がけましょう。
- アルコール、特にビールや発泡酒の過剰摂取を避ける。
- 加工食品やスナック類を控え、野菜や果物を積極的に摂取する。
- ストレスを溜めない生活を心がける。
検査で尿酸値を指摘された場合はご相談ください
高尿酸血症は症状がない場合でも、放置すると重大な合併症を引き起こす可能性があります。血液検査で尿酸値が高いと指摘された場合は、早めに医療機関を受診し、専門医の指導のもと適切な管理を行いましょう。
尿酸値が気になる方、痛風の症状がある方は、ぜひ当院へご相談ください。
そのため、脂質異常症だけでなく、血圧や血糖など他の生活習慣病とのバランスを見ながら総合的な対策をしていくことが大切です。