この記事を書いた人

日本糖尿病学会専門医、日本内科学会認定医の資格を持ち、医師として約18年医療現場に立つ。
特に糖尿病の分野に力をいれており、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症などの慢性代謝疾患の診療を得意としている。2026年5月に美濃加茂市でクリニックを開業予定。
目次
インスリンとはどのようなホルモン?
インスリンとは、膵臓から分泌される血糖値を下げる唯一のホルモンです。食事によって血液中の糖が増えると、細胞が糖を取り込めるように働き、エネルギーとして使えるようにします。インスリンの適切な分泌と働きは、健康維持に欠かせません。
インスリンの働きにはどんな役割がある?
インスリンの主な働きは次の3つです。
1. 血糖値を下げる:食後に増えた糖を細胞へ送り、血糖値を正常に保つ。
2. エネルギーを蓄える:余った糖を脂肪やグリコーゲンとして蓄える。
3. 代謝バランスを整える:脂肪やタンパク質の代謝にも関わり、全身のバランスを維持する。
インスリンの分泌が不足したり働きが弱くなると、血糖値の管理が難しくなります。
インスリンは糖尿病とどんな関係がある?
糖尿病は、インスリンが「不足している」または「効きにくい」状態が続くことで血糖値が上昇する病気です。
・1型糖尿病:インスリン分泌がほとんどできない。
・2型糖尿病:インスリンは出ているが効きにくい、または分泌が不足する。
このため食事や運動のみでは改善しにくい場合、経口血糖降下薬やインスリン治療が必要となることがあります。
インスリン注射はどんなときに必要になる?
インスリン注射が必要となる主なケースは次の通りです。
- 1型糖尿病(必須)
- 2型糖尿病で食事や運動療法、薬物療法(経口血糖降下薬など)を行っても血糖値が改善しない場合
- 妊娠中や手術前後などで血糖管理が重要な場面
近年は細い針やペン型デバイスが主流となり、扱いやすく痛みも少ない製品が増えています。
インスリンの副作用にはどんなものがある?
インスリン注射の副作用で最も注意すべき副作用は低血糖です。
手の震え、動悸、冷や汗、空腹感、ふらつきなどが現れます。薬の量や食事とのバランスを適切に調整することで予防できます。
その他、注射部位の赤み・腫れ、脂肪のかたまり(脂肪萎縮・肥厚)などがありますが、注射部位をローテーションすることで軽減できます。
インスリンは、高血糖による弊害から私たちを守る非常に重要なホルモンです。
「インスリン治療は怖い」と感じる方もいますが、正しい知識と医師のサポートがあれば安心して続けられます。
治療について不安がある場合は、いつでも当院へご相談ください。