この記事を書いた人

日本糖尿病学会専門医、日本内科学会認定医の資格を持ち、医師として約18年医療現場に立つ。
特に糖尿病の分野に力をいれており、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症などの慢性代謝疾患の診療を得意としている。2026年5月に美濃加茂市でクリニックを開業予定。
HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、赤血球に結びついた「余分な糖」の割合を示す値です。
過去1~2か月の赤血球の平均的な血糖状態を見ることができるため、一時的な食事や運動による影響が大きい血糖値に比べ、中長期の血糖状況を把握することができます。
目次
判定基準(NGSP値)
HbA1c(%) | 判定 |
~5.6 | 正常 |
5.7~6.4 | 境界型(予備群)の可能性あり |
≧6.5 | 糖尿病の診断基準 |
※ HbA1c値は検査機関により±0.2%程度の誤差があります。
HbA1cが上がる原因
HbA1cが上がる原因としては以下が考えられます。
- 高糖質・高脂肪食の継続摂取
- 運動不足によるインスリン感受性の低下
- 体重増加(特に内臓脂肪)によるインスリン抵抗性の悪化
- ストレス・睡眠不足によるホルモンバランスの乱れ
HbA1cと血糖値の違い
血糖値:採血時点の数値(食後・空腹時など変動が大きい)
HbA1c:過去1〜2か月の平均血糖を反映(安定指標)
両者を組み合わせることで、食後血糖のスパイクや、早朝の高血糖(暁現象)など、“見えない異常”を発見しやすくなります。
HbA1c改善のポイント
食事の見直し
- 糖質制限(1日50~100g)
- タンパク質や食物繊維の十分な摂取
運動習慣
- 有酸素運動(ウォーキングや水泳)週150分以上
- 筋トレで基礎代謝アップ
体重管理
- BMIを20〜25 kg/m2に維持
生活リズムの改善
- 安定した睡眠とストレスコントロール
薬物療法の最適化
- 薬剤選択や用量調整を継続的に見直す
まずはご相談ください
HbA1cをはじめ、空腹時血糖・食後血糖・体重・生活習慣を総合的に評価し、一人ひとりに合わせた目標値設定とサポートプランが必要です。
数値だけでなく、健やかな毎日を手に入れるお手伝いをいたします。お気軽にご相談ください。