この記事を書いた人

日本糖尿病学会専門医、日本内科学会認定医の資格を持ち、医師として約18年医療現場に立つ。
特に糖尿病の分野に力をいれており、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症などの慢性代謝疾患の診療を得意としている。2026年5月に美濃加茂市でクリニックを開業予定。
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。血糖値が高い状態が続くと、体にさまざまな不調や合併症を引き起こします。初期には自覚症状がほとんどないため、健康診断などで「血糖値が高い」と指摘されて初めて気づく方も少なくありません。
糖尿病は進行性の病気ですが、早期発見・早期治療で合併症の予防が可能です。当院では、糖尿病の早期診断・専門的な治療・生活習慣のサポートを通じて、患者様の健康な暮らしを守ることを目指しています。
目次
糖尿病の種類
糖尿病にはいくつかのタイプがありますが、日本人に最も多いのは「2型糖尿病」です。
1型糖尿病
自己免疫の異常により膵臓のインスリンがほとんど出なくなってしまうタイプで、主に子どもから若年層に発症します。インスリン治療が必須です。
2型糖尿病
生活習慣や遺伝が影響し、インスリンの働きが悪くなったり、分泌量が減ったりすることで血糖値が高くなります。
日本の糖尿病の約9割以上を占めるタイプで、働き盛り世代以降に増加傾向があります。
妊娠糖尿病
妊娠中にホルモンの影響などで血糖が高くなる一時的な糖尿病です。母体と胎児の健康管理のため、きちんとした診断とフォローが必要です。
糖尿病の症状は?
糖尿病は初期の段階では目立った症状がないことも多く、「自分では気づかないうちに進行していた」という方も珍しくありません。以下のような症状がある場合は、注意が必要です。
- 異常なのどの渇き、水をたくさん飲む
- 尿の回数が多い、尿量が増える
- 体重が急に減る(特に1型糖尿病)
- 疲れやすく、だるい感じが続く
- 目のかすみ、感染症にかかりやすい
こうした症状が見られた場合には、早めの検査・受診をおすすめします。
糖尿病の合併症とは?
糖尿病の怖さは、血糖が高い状態を長く放置することで全身の血管や神経が傷つき、さまざまな合併症が引き起こされることにあります。
三大合併症
糖尿病網膜症
目の血管が障害され、失明の原因になることもあります。
糖尿病性腎症
腎機能が低下し、進行すると人工透析が必要になる場合があります。
糖尿病性神経障害
手足のしびれや痛み、感覚の鈍さ、重症化すると壊疽や切断に至ることもあります。
このほか、脳梗塞や心筋梗塞、認知症、歯周病などのリスクも高まることが知られています。
診断と治療
糖尿病の診断には、以下のような検査が行われます。
- 空腹時血糖値
- HbA1c(過去1〜2か月の平均血糖値)
- 75g経口ブドウ糖負荷試験 など
治療の基本は、食事療法・運動療法です。
血糖値のコントロールが難しい場合には、内服薬やインスリン注射などの薬物療法が必要になります。
当院では、医師の診察に加え、管理栄養士による食事指導や生活習慣のアドバイスも行い、患者様に寄り添った継続しやすい治療を心がけています。
糖尿病は「治らない病気」ではありません
確かに糖尿病は一度発症すると長い付き合いになる病気ですが、適切な管理で健康な人と同じような生活を送ることも十分可能です。
定期的な通院と正しい知識、そして自分自身の体と向き合う姿勢があれば、合併症の予防や病状の安定も期待できます。
まずはお気軽にご相談ください
「健診で血糖値が高かった」「家族に糖尿病の人がいる」「最近体調がすぐれない」
こうした気づきが、糖尿病の早期発見につながります。
糖尿病は早く対応するほど、将来の合併症リスクを大きく減らせる病気です。当院では、初めての方でも安心して受診していただける体制を整えております。気になる症状や健康診断の結果がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

日本糖尿病学会専門医、日本内科学会認定医の資格を持ち、医師として約18年医療現場に立つ。
特に糖尿病の分野に力をいれており、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症などの慢性代謝疾患の診療を得意としている。2026年5月に美濃加茂市でクリニックを開業予定。