この記事を書いた人

日本糖尿病学会専門医、日本内科学会認定医の資格を持ち、医師として約18年医療現場に立つ。
特に糖尿病の分野に力をいれており、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症などの慢性代謝疾患の診療を得意としている。2026年5月に美濃加茂市でクリニックを開業予定。
目次
糖尿病の合併症はなぜ起こる?
糖尿病では、血糖値が高い状態が続くことで血管や神経に少しずつダメージが蓄積します。
血糖が高いほど血液がドロッとした状態になり、細い血管から障害が進みやすくなります。この変化が長期間続くと、全身の臓器に負担がかかり、合併症が現れると考えられています。
糖尿病の合併症にはどんなものがある?
糖尿病の合併症は、大きく「細小血管障害」と「大血管障害」に分けられます。
- 網膜症(目)
- 腎症(腎臓)
- 神経障害(しびれ、痛み)
- 足の潰瘍・壊疽
- 虚血性心疾患(心筋梗塞など)
- 脳梗塞
- 閉塞性動脈硬化症
糖尿病の合併症にはどのような症状が出る?
合併症ごとに症状はさまざまです。初期は無症状のことが多いため、定期的な検査が重要です。
- 視力低下、視野が欠ける
- 手足のしびれ、痛み
- 感覚鈍麻
- 足の傷が治りにくい
- むくみ、尿の泡立ち
- 胸の痛み、息切れ
糖尿病の合併症はどんな順番で起こりやすい?
細小血管の障害から先に起こることが一般的です。
1. 神経障害
2. 網膜症(目)
3. 腎症(腎臓)
その後、心筋梗塞・脳梗塞などの大血管障害が出現します。
糖尿病の合併症はいつ頃から出現する?
血糖コントロールが不十分な状態が数年続くと合併症が現れることがあります。早期の治療により発症を遅らせたり、防いだりすることが可能です。
糖尿病の合併症で目にはどんな影響が出る?
糖尿病網膜症は、視力低下や失明の原因となる病気です。網膜の細い血管がダメージを受け、出血やむくみが起こります。早期には自覚症状がほとんどありませんが、定期的な眼底検査で発見できます。
糖尿病の合併症で足にはどんな変化が起こる?
足の神経障害と血流低下が重なることで、傷に気づきにくく治りにくくなります。放置すると潰瘍や壊疽に進行し、重症の場合は切断が必要になることもあります。
糖尿病の合併症は血管にどう影響する?
高血糖は血管壁を傷つけ、動脈硬化を早く進めます。その結果、心筋梗塞・脳梗塞・足の血流障害などの重大な病気を引き起こします。
糖尿病の合併症として神経障害はどう進む?
神経障害には、手足のしびれが出る末梢神経障害、立ちくらみや便秘が生じる自律神経障害があります。もっとも早期に出やすい合併症です。
糖尿病の合併症はどんなメカニズムで進む?
高血糖によりAGEs(終末糖化産物)が増え、血管の壁が硬くなったり炎症を引き起こしたりします。これが積み重なり、組織の機能が低下して合併症が進行します。
糖尿病の合併症は治ることがある?
完全に元に戻すことは難しい場合が多いですが、早期発見で進行を止めたり改善したりできます。神経障害や網膜症の初期は治療効果が期待できます。
糖尿病の合併症は寿命にどのように影響する?
合併症を適切に管理している方では寿命への影響は最小限にできます。しかし、大血管障害は命に関わるため、血圧・脂質管理や禁煙などが重要です。